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ゲシュタポ・狂気の歴史>ジャック・ドラリュ著

 ナチズム(国家社会主義)とは?
その根本は、ゲシュタポの歴史にある。

 1968年初版の「ゲシュタポ・狂気の歴史 ナチスにおける人間の研究」。フランスのレジスタントによる著書は、自らも警察官の身でレジスタントに参加している際、ゲシュタポに捕らえられ、8カ月の拘禁されるという経験を持つ、ジャック・ドラリュ著によるもの。

 ナチスによる犯罪は、半永久的に罪とみなされています。ナチス犯罪に関わったものは、現在も見つかればただちに処罰されます。
 著者も本書の中で、「ナチズムの犯罪は、単なる一国民の犯罪というだけにとどまらない。残虐と、暴力への好みと、権力欲と、血なまぐさい人間偏執と、これらは、決して特定の民族だけに伝わる遺産でもなければ、特定の時代だけの特性でもない」と述べています。

 ナチズムは、第一次世界大戦のドイツ敗北などにより、誕生します。ゲシュタポ(秘密国家警察)という恐るべき組織は、ヘルマン・ゲーリングの指揮のもと生み出される。それは、ナチ党が席を得る前から、国会議員に属していたという。

 ゲーリングは、ある連合国の要求に対する抗議集会で、ヒトラーに出会う。その後、ナチ党の集会に参加し、ヒトラーの演説後、奉仕を受けた。
 そして、身の心も捧げる決意でナチ党(国家社会主義ドイツ労働者党)に登録。SA(党の突撃隊)の指揮権を握る。

 それから、ゲーリングからヒムラー、後にSS(ナチス親衛隊)の部長と組織は大きくなり、SSは警察とも一体化する。SSは、ヒトラーが獄中にいる時、生まれた部隊である。
 
 ヒトラーの周りをかためていた国家組織も、かなり手強い。その大きな力が、第二次世界大戦をも呼び寄せてしまったのか。著者のいう「悪魔の機械(組織)」は、現世への戒めのような気がします。

 「ひとたび、人間の記憶の力が衰え、有利な条件が生まれたあかつきには、混迷の時代、支えとなる歯止めがないために機会が生じたならば、血の呪いはまた新たに立ち騒ぐかもしれない。その時、次の犠牲となるのは誰なのだろうか」

 戦争も、核も人種差別もあってはなりません。と、強く思います。

Sora


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by sora_atmosphere | 2006-11-01 23:24 | 本/Books