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星野道夫メモリアルプロジェクト@Miraikan>日本科学未来館

 家を出る前、激しい雷の音を耳にしながらお台場の日本科学未来館へ。
今日は星野道夫の記憶に触れる日。

星野道夫メモリアルプロジェクト 日本科学未来館

 と共に、3.4.年ほど前から星野道夫に関しての著書を読み、感動しお目にかかりたかった作家、池澤夏樹の講演。そして、10年以上も前から注目していた女優、山口智子の朗読が聞ける日でもあるので、私にとっては特別な日です。

 星野道夫のことはこちらのブログでも幾度に渡り書いているのですが(今回の未来館のことを機に)、1996年8月8日にロシア・カムチャッカ半島クリル湖畔で取材中、クマに襲われ急逝した写真家です。アラスカのフェアバンクスに家を建て、18年間写真を撮る仕事をしながら厳しい自然と共に生活していました。
 1990年には『Alaska 風のような物語』で、第15回木村伊兵衛賞を受賞しました。写真集の中では、この『Alaska』という大判の写真集はもっとも好きな一冊です。

 この、"星野道夫メモリアルプロジェクト"というタイトルなのですが、私も気になっていました。ただ単純に没後10年の節目のための企画ではなくて、2008年にアラスカの地に彼が生きた紅しとして、トーテムポールを立てることを目的としたプロジェクトでした。

 これを提案したのが、今回ストーリーテラーとしてアラスカの神話を語ったボブ・サムさんで、彼は一見すると日本人に見えますが、南東アラスカ・クリンキッド先住民族で、星野道夫の友人です。
 ボブ・サムのスピリチュアルな語り部も興味深さを感じました。

 私が星野道夫のこと(名前など全て)始めて知ったのは、このプロジェクトの実行者でもあるスイッチパブリシングが1998年に発行した「表現者」星野道夫著が発売された際に出されたポストカードを何処か(原宿辺り)で見つけ、その本を人に送るため購入したのが切っ掛けで、そこに写された誰も人が立ち寄らないような深い森の写真や、トーテムポールの写真から受けた印象が強かったのです。でもやはり何よりも言葉の素晴らしさは、まるで教訓のように語りかけてくる生きた、生の言葉でした。

 アラスカで暮らすことはとても過酷だったと思います。池澤夏樹も講演の中で語っていたように、観光地で癒しのために観る自然とは違い、アラスカの自然は人間に冷たいのです。日本では衣食住に関わることは何でも手に入り、生きるための保証があるのだと。でもアラスカではそうではない。砂漠のようにアラスカも人間を受け入れてくれるわけではないのだと思います。
 それを了承して生活しているのですから、日々が写真を撮ることと生きること、両者の格闘だったのではないかと思います。

 だから星野道夫から生まれてくる写真も言葉も、生きることの教訓ではないかということが感じられるのです。

 始めに、生前の星野道夫をインタビューした映像が流れます。今まで、写真の中で見る平面の星野道夫しか知らなかったのですが、動いて喋っているのでなんとも感動的でした。カリブーのことを話している時の少し興奮ぎみの声が印象的でした。

 今回は本当胸が熱くなる時間でいっぱいで、何でも込み上げてくるものが押さえきれずにいました。

 長くなりそうなので、続きはまた次回に。

 Sora


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by sora_atmosphere | 2006-08-13 02:49 | 劇場/Play