「ミーシャーホロコーストと白い狼」

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今日まで六本木ヒルズで開催されていたフランス映画祭ですが、見たいプログラムがあったので行ってきました。

前にも少しブログで書いたように見たかったプログラムは、「ミーシャ ホロコーストと白い狼」。印象にあったイメージとはずいぶん違い、生きるために旅をするたくましい人間像(少女ですが)というのが活き活きと描かれています。こういうテーマは私の好みでもあります。たくましい人間像。ヨーロッパでは、第二次世界大戦で(ナチスの手によって)虐殺されたユダヤ人の歴史というのは、受け継ぐように丁寧に扱われていますが、その記憶を壊すことなく大切に撮られた映画だと思いました。白い狼や少女が出てくることで、話題性があると思いますが、このナチス占領化におかれた恐怖というのも感じることを忘れてはならないと思います(このことを私はいつも声を大にしていいたい!)。

主人公で登場する8歳の少女ミーシャ(マチルド)は、両親もユダヤ人で隠れ家で生活をしています。学校でも検察がくるとかくまうようにして生活をしているのですが、ミーシャにとってみればなぜこのような生活をしているのかが理解できません。いつか両親が検挙され(強制収容所へ)ミーシャは、大好きな母親から離れて生活をしなければならなくなってしまうのですが、そのときの悲しみというのが、マチルドの演技から伝わってきます。
少女は、いつか両親に会いに一人でドイツ、ポーランド、ウクライナと旅に出るのですが、こうして当時は、例えば収容所やゲットーから脱出して森を彷徨う人もたくさんいたといいます。その時の苦しみや辛さというのが、この映画からも伝わってきます。その状況というのは想像では計り知れないことだろうと思います。

私が昨年(ちょうどこの映画を見た日に旅をしたのですが)、ポーランドで列車に揺られているとき、懐かしくなるような風景が広がっていたのですが、ときに森の横を走り抜ける時、小さな小道というのが必ずありました。そのとき私は、「当時はここを収容所から脱出をしたユダヤ人が歩いたのだろうか」と想像しました。車窓からの風景を眺めているとそんな気持ちで胸が締め付けられたものです。また寒い時期といこともあり、このような気持ちがいっそう深く感じられたのかもしれません。

映画を見ていると、「狼と共に生きるたくましい少女」という印象が、狼少女を題材にした映画が過去にあったことを記憶していますが(日本とかフランスで)、そういう映画の印象が強く残りました。監督のヴェラ・ベルモンという女性の監督なのですが、日本の黒澤明監督に共鳴を受けていて、自然のなかでの鳴き声のシーンは黒澤監督からの影響もあるということです。この、雪の中でのシーンや、白い狼と少女のやり取りのシーンはやはり見せ場といえるのかもしれません。4ヶ月かけて撮ったそうですが、どうやって撮影したのかを考えさせられる映画でした。

映画祭というのは嬉しいことに、最後にトークショーがあります。あまりそのことを知らなかったのですが、映画を見終えた後かなりグッときている時に、主演のマチルドちゃんと監督が登場したのでこの映画の印象も深まりました。評判は良かったようで、感銘した人が質問をしていました。この映画がデビュー作というマチルドちゃんの演技は素晴らしかった。ホロコーストのことがなければ見なかった映画かもしれませんが、この映画に出会えたことに感謝をしています。これからもホロコーストの思いを深めたいです。今年、ポーランドで作品が撮れるようにまだまだ頑張らないと。ずっと撮りたかった作品を。中谷さん、近いうちに連絡をするかもしれません。

Sora


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by sora_atmosphere | 2009-03-16 01:02 | 映画/Cinema