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写真集「PABLO NERUDA Absence & Presence」

写真集「PABLO NERUDA Absence & Presence」_f0053506_2224318.jpg最近私が気になっている写真集があります。
それは、チリ出身の写真家ルイス・ポアロの『パブロ・ネルーダ』(原題:PABLO NERUDA Absence & Presence)です。

パブロ・ネルーダは、1971年にノーベル文学賞を受賞したチリの詩人で、当時の政治的な関係に関わり国を追われた人物です。イタリア亡命時代を題材にした映画『イル・ポスティーノ』でもそれは扱われています。日本で上映された当時、見逃していて、このことが題材だということは初めて知りました。
写真集では、パブロ・ネルーダが過ごした家があるイスラ・ネグラ(黒い島)の空家となった外観や内部を撮影したものなど、全体的に3部構成になっているもので、パブロ・ネルーダの詩編と共に構成されているということです。

最近、私は港千尋氏の本を真剣に読んでいるのですが、この写真集についても著者が書いた『記憶ー「創造」と「想起」の力』の中で紹介されていて、興味を惹きました。まず、「不在」をなぞることを中心に構成されているということ、ネルーダ詩編の言葉を引用しているということ、などさまざまな要素が気になります。「記憶」ということをタルボットの写真術の根源である「自然の鉛筆」の写真集からの流れで書かれていることもまた写真とは、写真で記憶を辿ることとはどういうことなのかということを考えさせてくれます。

パブロ・ネルーダという人物はどういう人であるのか、また不在の人物の所有品をどのように撮っているのだろうかという空想が広がります。「イスラ・ネグラ」の家や、部屋の内部など参考テキストで小さい写真は載せてあるのですが、いずれも6×6で撮られた写真でした。
図書館には置いていないものが多い(書店でも探すまで困難である)海外の書籍は、なかなか目にするまで時間がかかりそうです。いつか出会える日が来ると思いますが。

Sora


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by sora_atmosphere | 2009-02-15 23:02 | 本/Books