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石内都展 ひろしま/ヨコスカ

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 今年最後に鑑賞した展覧会は、石内都展 ひろしま/ヨコスカでした。今月の初めに、石内都の話し、石内都と話すに参加して、作家本人と一緒に展示室を回りながら作品の話を聞いたり、作家本人の話を聞いたり、というイベントに参加をしたのですが、本人不在で作品を見るのはこの日が初めてです。

 あのときはゆっくり見れなかった「連夜の街」のシリーズと、ビデオインスタレーションをじっくり見ながら、あの日の話のことを思い出したりしていました。まるで何かに仕返しをするように撮ったという「連夜〜」のシリーズは何か引っかかるものがありました。その日、図書館にいったついでに写真集を借りて写真を見ながら本人の解説を読むと、「旧赤線跡」といわれた街を歩いてと書いてありました。赤線といわれている街は"売春婦が住んでいた街"だそうです。他者の解説では、"アパートが生きもののようになりかかっている"と書かれてありました。

 なぜ気になったのか、という話に戻りますが、私がチェコのトシェビーチで、ゲットーを歩いて撮った目線と似たものを感じたからだと思います。ただ、私は何を感じたかというと(自分が撮ったチェコの写真に対して)、あの時は、不在の住民ということを意識して撮っていたのです。今はユダヤ人はいないけれど、どこかでユダヤ人を探している自分がそこにいたという感情です。そう思うと、石内都さんが撮った"赤線"と呼ばれた街を撮った感情とは違ってきます。けれど、石内さんもきっと今は不在の住民を探していたのではないだろうかと考えると、気持ちが同感できるような気がします。この街は現在は存在しない(取り壊されてしまって)というようなことが書かれてありましたが、この「今は存在しない」というものに対しての思い入れというのは、私も同じように同感できるのかもしれないという意味です。ちなみに、"赤線"というのは通常の地名ではなく、読み書きはしないそうです。

 残り少なくなった今年に、写真についてさらに思いを深める石内都展でした。

※写真はアオギリという木で、広島では被爆した木として知られています。目黒区美術館に行く途中にあります。

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by sora_atmosphere | 2008-12-28 22:06 | 展覧会/Exhibition

石内都の話し 石内都と話す

f0053506_2312563.jpg今年の夏に、広島で、写真家・石内都の「ひろしま」展が開催されましたが、その作品が東京に来ました。来年1月まで、目黒美術館で「ひろしま/ヨコスカ」展という形で開催されています。

その関連イベントとして、作家本人による作品を鑑賞しながらの説明と、座談会に参加してきました。私は、石内さん本人にお会いするのは初めてです。「Scars」から作品を興味深く観ていて、写真美術館で開催された「Mother's」は観ていましたが、今回は、新作の「ひろしま」を楽しみにしていました。

作品を作られたときの状況や、展示の材料まで、色々な話を聞きながら観ていたのですが、私はこのとき初めて展示室に入ったので、その雰囲気を味わったりしていたので、聞いたことの半分くらいが宙に浮いたような感じでした。そうです、感激してちょっとボーっとしてしまっていたのです。石内さんは凄く素敵な人で、それでいて、男性のようにサバサバしています。カッコイイのです。

参加者は、わりと女性も多くて(同年代くらいの)安心しました。プリントが凄く綺麗でした。特に、爪や指などの身体を撮った作品は、うっとりするぐらいに。かなり焼き込んでいるようなのですが(白が出ているのが嫌いみたいで)、その焼き込み具合が綺麗。私も自分の作品を焼くときは、作品によっては焼き込むことが多いのです。この調子を出すのは非常に難しい。勿論、作品のレベルは全然違いますが。全紙ぐらいまでは自分の自宅で製作しているということです。撮ることより、プリントすることを大事にしている方なので。私は、大四ツまでしか自宅では出来ないのでそれ以上の大きさを自分で焼いたことはありません。。ラボでお手伝いをしたことはありますが、自分の作品をロール紙では焼いたことがありません。

お話は、かなり個人的な話もされていました。多分、あまり人には話せないことがあるのだと思います。話せないから作品を作る。そういうところは同じような気がします。おそらく作家は、人に言えないことが多くて、だからこそ作品で表現すると思うのです(ちなみに話せないというのは自分が思ったことなので、そうではないかもしれませんが)。誰もがそういうわけではないと思うけれど、思考の通り道がちょっと違う。と思う。そう言う人の話を聞くと、色々なことを考え始めます。最近、作品のことで書いていたことで、その考え方を人に話したところ、そんな考え方はしないよ。といわれてしまいました。日常では、そんなことは普通は話さないと思いますが。マイナス的なことではないけれど「普通はしないのか」と思いました。
なんてことはない、「遊動と定住について」考えているだけです。あの人は、「定住形」だとか、「遊動形」だとか、そんなことは普通は考えないでしょう。うーん、私は自分の作品について考えているだけです。みたいな...。

真面目な話し、美術と写真に関心を持ち、そこからどう世界を見ていくか。ということが大事だと思うから、これからもそういうことを書いていこうと思っているのです。
石内さん展示についてじゃないことばかりで、参考にはなりませんね。

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by sora_atmosphere | 2008-12-02 23:59 | 展覧会/Exhibition

石内都展 ひろしま Strings of Time

f0053506_13363379.jpg8月6日は、原爆の日でした。そして、今日は長崎での原爆の日です。
今年で、63回目になるとのことですが、世界からは、式典には55ヶ国と過去最多の参加があったそうです。こちらは、広島での平和式典のことですが。








この展覧会も、いよいよ明日までとなってしまいました。
広島市現代美術館で開催中の、『石内都展 ひろしま Strings of Time』 これは、私は非常に見たかったのですが。ちょうど先週の新日曜美術館で、放送されているのを見ました。

出来上がったネガをプリントして、並べている映像を見たのですが、なんとも言えない苦しさというか、美しさの中にある冷血さというか。どうしようもない気持ちになったのです。それは、遺品を映像で見る感覚とは違う、苦しさというか。
写真というのは、ここまで、心の襞を写してしまうものなのか。と思いました。それは、石内都さんが、写した写真だったからでしょうか。

確かに遺品は、とても強い念というものが入っていると思います。
私が昨年、広島で遺品の展示をも見たときもそうでした。服にお守りが入っている遺品を見たのですが。この服の持ち主は、どのような気持ちでこの場にいたのでしょうか。持ち主が誰で、そのときの状況の説明文もあるのですが、それを読むとそのときの声が服を通して伝わってくるようでした。

もの言わぬ遺品が、訴えてくるメッセージとはなんでしょうか。
きっとそれは、この展覧会を広島で見るから、意味があるのだと思うし分かるのだろうと思います。
見にいけないのが残念ですが、11月の東京に来た時に、行ってみたいと思います。

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by sora_atmosphere | 2008-08-09 14:09 | 展覧会/Exhibition

中上健次エッセイ撰集(2)

f0053506_23231346.jpg今月の26日で、このブログを始めてちょうど2年になりました。気が付けば、本当早い。初めは、2005年にホームページを立ち上げて、その中で日記を付けていました。私は主に京都、関西の方で展覧会などといった作品を出展したりする機会が多かったもので、WEBで流していたのですが、ブログを始めてからはもっと広い範囲で更新が持てるようになった気がします。


これからもどうぞ宜しく。

続きで、中上健次を読んでいます。
若い頃に書かれたものが中心で(タイトルに[青春・ボーダー篇]とあるので)、主に旅先でのエッセイから読んでいます。
アメリカ、アメリカは、著者が36歳の時にアイオワから、レンタカーを借りて一ヶ月にわたり旅をしながら書いたエッセイ。アイオワで三十六か国から作家が集まり現代文学についての討議をする(インターナショナル・ライティング・プログラム)と書かれてありました。

他には、ひろしま・ひろしま。8月5日の原水禁の会議の時に訪れたときの街の様子(1967年)。けれど著者は広島の旅について、僕自身を考えるため、僕にはひろしまと広島を見る権利がある。と書かれてあります。彼は、原爆が投下された翌年の昭和21年8月2日に生を受けたからだと、そういう深い思い入れもあるからのようですが。
常に、現代にとって、僕自身にとっての広島とは何か。と問い続けている。かなりナーバスになってしまったようで、広島で得た感覚や見たもの、出来事を捕らえているだけのエッセイだけれど、最後は、サルトル(フランスの哲学者であり作家)の「世界」での対談で、中国の核兵器と保有に関する発言の言葉でしめています。誰もが核兵器に反対する。中国の核兵器を認めなければならないと。

うーんまだまだ読み足りないみたいです。

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by sora_atmosphere | 2008-01-23 23:23 | 本/Books

WHITE LIGHT/BLACK RAIN

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 8月15日の終戦記念日には、実はこの映画を見に行っていたのです。スティーヴン・オカザキ監督作品『ヒロシマナガサキ』。


 ドキュメンタリー映画とはシンプルなもの。物語を語ることなく、メッセージをただ伝えるだけのドキュメンタリー映画を観ていると苦痛を感じる。私はメッセージ映画には興味はありません。


 という言葉のように、ただ事実を語る人々、そして、その事実を記録した映像が、淡々と流れます。これは、何よりも訴えかける映画(メッセージ)よりも強烈に苦しい。撮る人の主観が強調された映画はやはり冷めてしまうもの。この映画の作り手の眼差しは優しくもあり、そして時にきつくもあるのです。


 何よりも、事実を突き付けられたこと。戦争の始まりの事実です。日中戦争から太平洋戦争に、日本軍がアメリカに攻撃をしかけた事実。広島、長崎の被爆者14人による証言。爆撃機エノラ・ゲイと ファットマンの映像。幾度も見たであろうキノコ雲の映像。エノラ・ゲイに機上していた飛行士の証言。原爆症。
 さまざまな映像が突き付けられる。まるで、自身が被害者のように。


 けれど、被爆者の人々は悲観的ではない。生き生きとしている発言が印象に残りました。

  これから、歴史はどのようにしてこの事実を伝えていくのだろう。いつもその課題や疑問ばかりが残る。「これからは、核戦争になる」という考え方をもう一度見直すべきではないかと思う。核兵器を落としたからといって、勝ったというのは違うと思う。何よりも、戦争が起こさないということが本望だと思うけれど。
 そう願うこと。その願いはどこに届くのだろう。誰もが感じることなのかもしれない。

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by sora_atmosphere | 2007-08-21 01:11 | 映画/Cinema

ヒロシマ

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  hiroshima in 2007   photograph Sora


    


 8月6日 8時15分




 私が住んでいる東京の地区でも放送が流れました。
 黙とう...


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by sora_atmosphere | 2007-08-07 01:05 | 日記/Life

細江英公 『死の灰』

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 先週の土曜日は、東京工芸大学内にある、写大ギャラリーへ。
 現在行われている、写大ギャラリー・コレクション,VIVO展のギャラリートークへ参加した際、細江英公氏が語られた、新作の写真集『死の灰』。
 こちらは、<核>をテーマに取材した作品です。

 79年のヴェスヴィオ山の大噴火により、一瞬にして消えた古代都市ポンペイ。
 後に、発掘作業により発見された遺跡の中には、人間までも灰に包まれたまま発見されたのです。現在、石膏で象った人体が博物館に展示されているそうです。

 その姿は、ヒロシマナガサキに核兵器を落とされたとき、一瞬にして都市と人々が破壊されたという、核の恐ろしさというものを表現しているといいます。




 人間は、過去のことを忘れてしまうことが多い生き物ではないか。日々のニュースを見ていても常々感じることです。たとえばそれが、悲しい出来事、辛い出来事の場合など特に。本当、忘れたいものです。
 でも、歴史として。
 負の歴史としても、それを語り継がなければならないことがある。それが、核の恐ろしさであり、ユダヤ人迫害であり。特に、核兵器は日本が、最初で最後の犠牲者なのです。


 それでも、核を所有している国は、あります。
 核は、戦争を止めるための最後の手段として、相手国を脅しているのです。
 核抑論の考え方がなくならない限り、むしろ無くそうと思わない限り、また同じ被害が及ぶ危険性はあるのではないか。とそのような恐怖さえ感じるのです。
 
 ポンペイ,アウシュビッツ,トリニティ・サイト,ヒロシマを撮った写真集。
 細江英公氏だからこそ、語れる表現なのでしょう。
 7月15日に発売予定されるようです。
 
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by sora_atmosphere | 2007-07-11 00:46 | 本/Books

『ヒロシマナガサキ』

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7月28日から 、遂にこの映画が上映されるのですね。

今年、8月6日に全米に向けて、テレビ放映されるとのこと。

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by sora_atmosphere | 2007-07-07 00:22 | 映画/Cinema

island

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                        island(2007)   photograph Sora




昨月、広島・呉港より船で渡った江田島。
海軍校が、現在も残る場所。

今では、静寂した時だけが横たわる。

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by sora_atmosphere | 2007-06-07 00:43 | 作品/Portfolio

最後に。広島に出向いてのこと

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   Atomic bomb dome in hiroshima 2007 photograph Sora


 最後に、広島を訪れて一週間が過ぎて思うこと。

 風景は変わっていくと思うんです。特に人が住む風景というのは、人が住みやすいように塗り替えられていく。それが、文化になっていくのかどうかは分からないのだけれど、変わっていくと思うんです。

 けれど、人間が見てきた記憶の中で、忘れてはならないのが、やはりこういう風景だと思うんです。これは、人が国が文化かどうかは分からないけれど、築いていこうとした結果であると思うんです。領土を攻めていった結果。

 人間はたくさんの夢を見ると思うんです。ここでいう夢とは寝て見る夢のこと。そういう夢は、印象深いものはいつまでも忘れることはありません。その夢の中に出てくる光景。それは、日常的なものもあるかもしれませんが、その夢も、いつか見た光景や、これから見るであろう風景が夢が先に知っているということもあります。
 そういうことって、やはり忘れてはならないことだと思うのです。

 人々は、こういう記録を忘れないようにと必死で残そうとしています。なぜなら、2度とあってはならないことだからなのです。

 そういうことを私自身も忘れないようにしていかなければならないな。と日々思います。

 時が経てば経つほど色濃くなる記憶。
 そういう記憶が残されている場所を歩く旅というものは、人間の記憶を巡る旅のようで、いつもそんな光景にインスパイアされて生きていくのだと思います。

 こういう文化は、やはり大事だなと。

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by sora_atmosphere | 2007-05-19 17:13 | 旅/Travel