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3月いっぱいで...

長い間続けてきた"Life is beautiful"のブログを3月末でいったん終了したいと思います。まだ一ヶ月ほど先のことですが、突然辞めるよりもお知らせをしたほうがいいかなと思いまして。
再開の予定は今の所、取りあえずありません。

ほかの所で違うブログを開始するかもしれませんが(3月から続けているかもしれませんが)、少し趣向が違うものになっているかもしれないので、今のところはこちらにはお知らせをしないでおきます。

私の活動状況においては、もし今年度に展覧会など発表の場を設けたときはこちらに更新するつもりです。それ以外のことは、基本的には更新しない予定です。元々そういう趣旨で始めたブログなので、いったん"打ち切り"ということで。

長い間、閲覧していた方には大変申し訳ありません。

※過去の記事は消さずに、管理を継続しながらこのまま残しておきますので、このブログ自体は消えることはありません。

Sora
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by sora_atmosphere | 2009-02-28 14:44 | お知らせ/Information

岡本太郎『太陽の塔』

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ふと、思い出された岡本太郎が製作したモニュメント『太陽の塔』。
この彫刻作品は、現代に何を伝えようとしているのだろうか。

『太陽の塔』は、現在も大阪の万国記念公園に残されている。
1970年の日本万国博覧会(EXPO'70 大阪万博)で、テーマ館のシンボルとして立てられた。岡本太郎のパヴリックな彫刻作品。
万国博覧会は、バブル時代絶頂期、産業の発達した時代の象徴というイメージがある。この時代は私が生まれる前なのでどのような賑わいがあったのか分からないけれど、万国博覧会というと、その後開催された万国博(つくば)には行った記憶があるので、そういった印象かなと想像できる。
当時は、テーマ館として、内部も入れるようになっていたようである。『生命の樹』という胎内を思わせるように、壁面などが赤く塗られた呪術的な地下空間を思わせるようなものであったようだ(2010年に、また内部の見学が出来るようですが)。

「私の作ったものは、およそモダニズムとは違う。気どった西欧的なかっこよさや、その逆の効果をねらった日本調の気分、ともども蹴とばして、ぽーんと、原始と現代を直結させたような、ベラボーの神像をぶっ立てた」

万博のテーマである「人類の進歩と調和」rとは、反博して作ったといわれる「太陽の塔」。この、ベラボーなものとして、塚原史(「人間はなぜ非人間的になれるのか」)の解釈では、「首を切断された太陽の塔」とあった。確かに写真で見る限りでは、お面のように違う素材で貼付けられた顔からの胴体は切断したような感じである。「明日の神話」で原爆を受ける人物もそうだけれど、象徴される像は儚くも悲しく私には映る。

いけにえを捧げるかわりに、新しい生命である太陽を産み出そうとする祭りの儀式。それが、万博に集う群衆の群れと同化させている。
確かに、今公開されている話題映画の象徴にも、「祭り」というイメージで取り扱われている。
そう思うと、原始から受け継がれる生命の「祭り」という人間の本質的な象徴を表してるのかもしれない。岡本太郎の作品の意味を知ると、どこか切なくなる。岡本太郎は、覚悟を決めて岡本太郎になったという。その作品の全てを人生をかけて、時代と自己の心的な葛藤に反映させて作り上げていったのかもしれない。


参考文献、参考URL

塚原史『人間はなぜ非人間的になれるのか』ちくま新書、2000年
岡本太郎記念館 http://www.taro-okamoto.or.jp/


岡本太郎記念館で開催中の『明日の神話』40年の軌跡展に会期中、足を運べたらと思います。ちょっと最近気になっています。

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by sora_atmosphere | 2009-02-28 14:40 | 展覧会/Exhibition

Michael Kenna「Mont St Michel」

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イギリス出身の写真家MICHAL KENNA(マイケル・ケンナ)の風景写真。光と大気が生み出す幻想的な写真は、どこかノスタルジーさえも感じさせます。どうしたらこんな美しい写真が撮れるのか、その作品のクオリティーには目を引き寄せられる、いつもそんな思いで眺めてしまいます。とても好きな写真です。

昨年、ポーランド・クラクフに行った時、書店で5ズロチで買ったマイケル・ケンナのポストカード(上の写真)。なんと、奇遇にも日本で撮られたものでした。
タイトルは、『Tree and Mountain, Suizenji Joju-en Garden, Kumamoto, Kyushi, Japan. 2002』。日本で撮影されたシリーズも多いのです。日本が好きなのでしょうか。

しかし、まだ写真展に行ったことがありません。いつも行き逃してしまうのです。
ちょうど、3月14日まで開催中でした。

Michael Kenna マイケル・ケンナ 作品展
『 Mont St Michel モン・サン・ミッシェル 』


ーモンサンミッシェルは、人生のようなものだ。人が思う通りの姿となって現われる。ブリタニーの境で水に囲まれ、フランスの北岸から1キロ、ノルマンディーに位置するモンサンミッシェル。
ーモンサンミッシェルで過ごした間、私は夜も昼もただ静かに歩いた。様々なものを観察し、周囲の音を聞き逃すまいとし、何かを待ち、祈り、瞑想し、そして写真を撮った。それらの経験は何ものにも代え難い。

マイケル・ケンナ

(以上HPより抜粋)


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by sora_atmosphere | 2009-02-24 23:49 | 展覧会/Exhibition

祈りの道 サンティアゴ巡礼の道と熊野古道

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3月15日(日)まで、相田みつを美術館で国際観光共同プロモーション事業の一環として、同時開催されている「祈りの道ールイス・オカニャ&六田知弘写真展」に行ってきました。

世界遺産 サンティアゴ巡礼の道を撮影した写真家六田知弘氏の写真は、割とファインアートに近い感じでした。遠近で撮影した写真も印象的でしたが、私が気になったのは聖堂などの彫刻の写真。光を綺麗に取り込んでいて、その像が優しく、暗闇のなかに造形が浮かび上がっているような感じでした。
サンティアゴ巡礼の道は、フランスの4都市(パリ,ウェズレー,ル・ピュイ,アルル)から、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ(大聖堂が最終地)まで巡礼するルートがあって、聖ヤコブの墓が発見されてという伝説が残り、この巡礼の道が誕生したそうです。「巡礼」と名付けたのは、詩人ダンテといわれています。

世界遺産 熊野古道を撮影した写真家ルイス・オカニャ氏は、広告写真家であって、建築物や風景、神社の彫刻においても、割と堅いプリントでカチッとした印象がある写真でした。
熊野三山は私も訪れたことがありますが、主要となる熊野那智大社、熊野速玉大社、熊野本宮大社に訪れていたので驚きです。特別短期間で調べた割には、行けたことがお見事だなと我ながらに思っています。

日本とスペインだと、「巡礼」と呼ばれる霊場の価値観というか、そういうものがやはり違うなと感じるのは、「自分自信を見つめ直す」という目的は似通っていても、紀伊山地は、自然を崇拝する日本人の考え方があるし、サンティアゴは、神に近付くとか、身を浄める、邪念を払うという思いがあったりとか、そういう「神」に対しての違いを考えさせられます。

やはり特別な場所であるということは、崇高なる精神がそこに宿っているからだと思います。そういう地理関係や宗教、文化の違いを通して共鳴する交流は大切なことだと感じますし、どの国にも一つになる精神があるということは人間本来の姿であることだと感じています。

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国際フォーラムに訪れるものも久しぶりでしたが、最近の建築は光がたくさん入るので大好きな空間です。

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by sora_atmosphere | 2009-02-22 22:49 | 展覧会/Exhibition

ルーリン彗星とは?

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今月の19日未明に、東北や関東、東海地方などで観測されたという、ルーリン彗星。
写真で見る限りでは、青い流れ星のように見えますが、これが観測される意味とは何でしょう。

ほうき星とも呼ばれる彗星は、数万年以かけて地球に接近してくるものだそうですが、その天体は、太陽系の中を運動しながらガスやダストを放出する小天体といわれているそうです。流れ星のイメージがありますが、流れ星は、彗星である小天体から放出された塵のことだそうなので、そのもととなるのがこの彗星ということになります。

ルーリン彗星は、空が暗い場所だったら肉眼でかろうじて見えるぐらいの明るさということです。東京では(特に大都市)、あちらこちらに人工的な明かりが灯っていて、空が明るいので見えにくいのではないかという印象がありますが、どうなのでしょう。天体観測はしたことがないので分かりませんが。

イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが、望遠鏡をいち早く取り入れ天体を観測して、多くの科学の発見をしましたが、そういった科学革命がいまも現代に受け継がれているのでしょうね。または未知の天体へや宇宙への憧れか、ロマンか。私は観測にはあまり関心が薄いのですが。先週見た映画「ザ・ムーン」で満足してしまっています。
「23、24日は東京で午後10時ごろから翌日の午前4時ごろで、土星のすぐ近くにあり、午前1時ごろに南の空の高い位置を通る」ということです(毎日新聞ニュースセレクト参照)。夜中ですね。

国立天文台ウェブ参照

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by sora_atmosphere | 2009-02-20 01:20 | ニュース/News

フランス映画祭2009

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TOHOシネマズ六本木で、3月12日(木)から開催されるフランス映画祭2009。今年は、16プログラムの上映があるようです。

映画祭というと、東京国際映画祭や海外(ドイツやイタリアなど)の映画祭など一年でさまざまな映画祭が開催されますが、私はいつも気になる作品があると行くという程度です。けれど、実はこの映画祭というのは、劇場未公開作品が多いということなので、気になるものがあるときは行った方がいいのだなと思いました。今年のフランス映画祭では、どんな最新作品が上映されるのか。

個人的に一つ、気になる作品がありました。
「ミーシャ/ホロコーストと白い狼」
内容は、第二次世界大戦中、一人のユダヤ少女が両親を探し求め、戦火のヨーロッパを3年かけ横断していく。というストーリー。こちらの作品は全国公開も決まっているようですが、一足早くみたいところ。

もうすぐ上映される、ディファイアンス、こちらもユダヤ人を救った兄弟のお話ですが、これも気になっています。ちょっとハードな映像の気配も感じますが。
ホロコーストに関するものは、とにかく見ることが私の基本なので(以前からの記事でも色々書いているとおり)、特に関心を持ったものはやはり見たいというより、見るように心掛けています。
他の上映作品でというと、食物汚染のことをテーマにしたドキュメンタリー、「未来の食卓」なんかが見たいかなという感じです。

フランス映画というと、アルノー・デプレシャンの作品を好んでみます。最近、デプレシャンの最新作は上映されていないようですけれど。

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by sora_atmosphere | 2009-02-17 21:56 | 映画/Cinema

慢性的な...

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慢性的な疲労は、結構手を施してもなかなか簡単には治らないものです。
以前医者にもらった慢性頭痛の特徴のチラシを読むと、恐らく「緊張型頭痛」だと思われる症状があるので多分そうでしょう。特に、「肩こりやふわふわしためまいを伴うことがある」というのには的確に当てはまっていて、めまいはしょっちゅうしていて、薬も飲んでいないのに時々ぼんやりとしてしまいます。

一般的には医者に行くのでしょうが、私の場合は医者でもらった薬で命拾いをした経験があって、それからよほどでない限りは薬は飲まないので(漢方薬は飲みますが)、医者にも行きません。これは結構考えると辛いことですが、医者に行ってもいわれることはだいたい、「疲労」もしくは「ストレス」からくるものなので、休むようにしましょう。といわれるのがオチなので、だったら自分で分析して治そうというのが基本的な考えになってしまっているようです。かれこれ、20年近く。この20年のうち、医者に行ったのは交通事故で運ばれたのと、椎間板症ぐらいででしょうか。疲労が溜まると、椎間板も痛くなるのでこれが一番厄介ですが。

健康維持というのは、なかなか難しいもので、20代の頃は倒れるまで頑張ってしまっていたので結構これが悩みになっています。限界を知らないというか。気付かないというか。来月旅でもしようかな。一番の特効薬です。

※薬は飲んでいないのですが、香酢を飲んでいます。これは疲れにとてもよく効きます。慢性的な頭痛はなかなか治りませんが。

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by sora_atmosphere | 2009-02-16 01:00 | 日記/Life

写真集「PABLO NERUDA Absence & Presence」

f0053506_2224318.jpg最近私が気になっている写真集があります。
それは、チリ出身の写真家ルイス・ポアロの『パブロ・ネルーダ』(原題:PABLO NERUDA Absence & Presence)です。

パブロ・ネルーダは、1971年にノーベル文学賞を受賞したチリの詩人で、当時の政治的な関係に関わり国を追われた人物です。イタリア亡命時代を題材にした映画『イル・ポスティーノ』でもそれは扱われています。日本で上映された当時、見逃していて、このことが題材だということは初めて知りました。
写真集では、パブロ・ネルーダが過ごした家があるイスラ・ネグラ(黒い島)の空家となった外観や内部を撮影したものなど、全体的に3部構成になっているもので、パブロ・ネルーダの詩編と共に構成されているということです。

最近、私は港千尋氏の本を真剣に読んでいるのですが、この写真集についても著者が書いた『記憶ー「創造」と「想起」の力』の中で紹介されていて、興味を惹きました。まず、「不在」をなぞることを中心に構成されているということ、ネルーダ詩編の言葉を引用しているということ、などさまざまな要素が気になります。「記憶」ということをタルボットの写真術の根源である「自然の鉛筆」の写真集からの流れで書かれていることもまた写真とは、写真で記憶を辿ることとはどういうことなのかということを考えさせてくれます。

パブロ・ネルーダという人物はどういう人であるのか、また不在の人物の所有品をどのように撮っているのだろうかという空想が広がります。「イスラ・ネグラ」の家や、部屋の内部など参考テキストで小さい写真は載せてあるのですが、いずれも6×6で撮られた写真でした。
図書館には置いていないものが多い(書店でも探すまで困難である)海外の書籍は、なかなか目にするまで時間がかかりそうです。いつか出会える日が来ると思いますが。

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by sora_atmosphere | 2009-02-15 23:02 | 本/Books

ザ・ムーン

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この映画は見たいと豪語していた前回の記事に従い、見てきました。「ザ・ムーン」。主に夜や深夜に上映していたのでなかなか行くタイミングを逃していたのですが、公開終了間近ということもあり行ってきました。今日で終了かもしれないのですが。
私が影響を受けた写真集、「FULL MOON」の資料を参考に書いています。

アポロ計画ミッションは、ケネディ大統領の強い意志を引き継いで行われたものですが、アポロ7号が月に旅立ったのが、1968年10月11日〜22日。このときは地球周回軌道をして終わっています。映画の中では確か、9号が登場して、やはり地球周回軌道をテストしています。私はそのときの映像で印象が残ったのが、エンジンが切り離されて周遊しているときに飛行士が見た地球の映像です。
私たち人間が住む地球を見て、美しさを聖書の言葉から引用していました。

そして、初めて月面着陸をしたアポロ11号の映像。1969年の映像です。
私の記憶では、小学生の時に新聞で月面着陸のニュースを見た憶えがあったのですが、私が生まれる前の出来事でした。
アポロ計画に参加した宇宙飛行士たちが語る月への旅立ちや到着したときの証言は、しばし興奮していて、まるで自分が月へと旅したような気持ちになります。悲劇や苦労も語っていました。映画でのなかでは、選ばれた宇宙飛行士を「普通の人々が」というような表現を使っていたのが印象的でした。一晩で英雄になった人々の人生は、「宇宙への旅人」の人生だったのでしょう。決して楽なものではなかった「旅」の話は、特別なものでした。

地球というのは、とにかく偶然ができた産物なのでしょう。軌道がズレていれば、火星や木星のように生き物が住めない不毛の地に成り得ただろうし、そういうことを考えているとなんだか地球で生活していることがとても贅沢なように思えます。月は不毛で、確かに神秘的ではあるけれど恐怖を感じるような印象だったので。
とはいえ、夢心地に浸っていられないもの現実だなと感じますが。

一つ疑問に思ったことは、月は地球から見ると発光していますが(夜の場合)、月面は発光していなくて、どこか違う場所から光が月を照らしていました。月自体は発光しないのか不思議に思いました。

※ここに書き記したロケットの号番は映画で登場したものとは正確でないかもしれませんがご了承下さい。
 旅立った時期などの年度は正確なものです。

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by sora_atmosphere | 2009-02-13 23:37 | 映画/Cinema

対談 高梨豊×田中純

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<都市へ>より 東京国立近代美術館蔵 (C)Y.TAKANASHI


更新するのがすっかり遅くなってしまったのですが(体調不良により)、先日行った写真家と大学院准教授の対談の話から、東京国立近代美術館で開催中の「高梨豊 光のフィールドノート」展のことを書きたいと思います。

高梨豊氏は、主に東京(都市)を中心に撮っている写真家で、戦中での疎開生活などを体験していることもあり、都市が発展していくまでの変化や方法論を写真という表現を使い探求を続けています。何年かごとにシリーズで撮られていることが多く、展示もこのシリーズごとに展示されています。

対談では、1966年頃に撮影された「東京人」から、「東京人1978-1983」の話から始まりました。この話の中で、始めに撮影された「東京人」のときに比べると、その後の「東京人」は光がフラットになってしまったと話されていました。それは、都市の姿がすっかり変わり、人間の内面にも影りが見えるということからそのようにいっていました。恐らく、都市の発展とともに、人間性がどんどん失われていくような実感だったのでしょうか。

都市のテーマとは一転して撮られた「初國」は、日本各地の「神さびた土地」神話にゆかりのある地や、古くから信仰を残す土地などに訪問して撮られた作品ですが、この作品は撮りながら方向性を考えていたという作品です。

私が高梨豊氏の写真を初めて見て印象づけられたのが、「都市へ」という作品でした。プロヴォーヴの時代に撮られたもので、「風景」が中心です。この「都市へ」の印象が強くて、はっきりと写真家の作風を認識していませんでしたが、私にとってはこのシリーズが特別興味深く写りました。偶像的、神秘的な作風というものに惹かれてしまう影響もあるからかもしれませんが。

対談のなかでは、「地名論」を巡って白熱した話が繰り広げられましたが、私のなかでは、この作品のシリーズ(全て組写真で構成されていましたが)は、<面>から<点>への視点のシフトしているということで、人物を遠近で撮っているので人物を点としてとらえていると、このように解釈をしました。ただ写真の哲学の難しさというのがやはり感じられます。写真は複雑な個人論が出れば出るほど、人には伝わにくいというものになってしまいます。話を聞いて「なるほど」と思いましたが、それを「方法論」という形で理解をさせようとすればするほど、専門家にとってみると「理解に苦しい」というようなものになるのでしょう。なかなか写真も複雑なものです。

写真のプリントのディティールはとても綺麗です。カラーも独特で展覧会は見応えがありました。

田中純オフィシャルサイト
高梨豊 fotonama


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by sora_atmosphere | 2009-02-12 23:48 | 展覧会/Exhibition