人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ひとりぼっちのぞう>井の頭自然文化園>はな子さん

ひとりぼっちのぞう>井の頭自然文化園>はな子さん_f0053506_23165374.jpg

2004

 「ひとりぼっちのぞう」は、井の頭にいる象のはな子のことが描かれた絵本です。1986年に出版されたので、もう廃盤になっているので手に入りにくいようなのですが、今日ようやく手にすることが出来ました。

 象に出会い、写真を撮りはじめて2年になるのでしょうか。昨年はチェコに行っていたので、はな子と会うのは約1年ぶりくらいになります。
 昭和18年(1943年)。物質不足のため、国から猛獣処分の命令が下され、上野動物園を始め、日本の動物園にいる動物が毒を盛られた食べ物を与えられ、安楽死させられました。上野動物園にいた3頭の象も殺されてしまったのです。

 はな子は戦後、タイ国から日本にきた最初の象です。この絵本には、井の頭に来てからの悲劇が描かれています。上野動物園から、ひとり井の頭にきて孤独を味わいます。象は群れで生活するのでさぞ寂しかったことでしょう。一時期は、事件を起こし(事故)殺人象呼ばわりされ、石を投げられ、鎖で足を繋がれ人間不信になってしまったそうです。象は、神経質で一度味わった嫌なことは二度と忘れないそうです。過去の歴史から、家畜化され戦争の軍用として、象は大いに利用されてきました。
 ベテラン飼育員さんの看護により、はな子は次第に体力を回復してきたそうです。今は推定59歳になりますが、良好に生活しています。

 "何故象が好きなのか"とよく聞かれるのですが、なかなうまく答えることが出来ません。象は、戦後インドから"平和の使節"として日本に贈られた動物です。常に平穏でありたいという気持ちと、戦争で悲しみを受けた人への思いや、戦争を仕掛ける国への怒りが渾然一体として、いつも胸の中に有ります。そういうあやまちを二度と起こして欲しくないという思いがあるのです。心の中に象が眠っています。
※上の写真は、森山大道さんにも気にいって貰えたので、2004年の京都の個展の時DMに利用しました。

 Sora



人気blogランキングへ
気になった方はクリックをお願いします

by sora_atmosphere | 2006-09-05 23:48 | 作品/Portfolio