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アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち

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フランスの女性アーティスト、アネット・メサジェの大規模な展覧会に行ってきました。
オペラシティーで9月にチラシを貰ったときに、行ってみたいと思っていたのですが、レポートに追われていて行くのに正直迷いました。けれど、これがなかなか良い展覧会だったのです。

アネット・メサジェは、装飾美術学校に学びました。素材として、刺繍や編み物などを用いているのは、そこからだと思いますが、在学中に写真コンテストに受賞して、南ヨーロッパ、香港、インド、イスラエル、米国ほか、そして日本にも訪問したようなのですが。そういう経験もあって、独自の世界観を作り出していったというような作家です。ジャン・デュビュッフェに衝撃を受けて、ニューヨークに移ったようなのですが。

個人的すぎて世界観が受け入れられるか。というのを見る前から感じていました。たとえば、剥製を用いた作品などはうすきみが悪そうと、イメージだけで感じていたのですが(実際にみても多少びびってしまいますが)それが例えば、自分が幼少のころのことを思い返してみると、子供の頃は残酷にも生きたトンボをアクセサリーにしたり(いま考えるとぞっとしますが。大人になってからは虫や昆虫に憎悪を感じたりしているので)、ときには飼っていた金魚が死んでしまった時、土に葬ってあげたり。童心の心の痛みというのが表されていると感じたのでした。

興味を惹いたのは、やはり写真を用いた作品でした。上の写真も、写真に絵を描いたりしているのですが、仏教的な感じがするのは日本の影響かなと感じます。画像はないのですが、1989年の作品「私の願い」などは好きです。私は写真をインスタレーションとして用いることに関心があるので(私も初めての個展ではそうしていたので)、またこのような展覧会をいつか自分も復活させたいと思います。日本じゃないどこかでやるのが願いなのですが。ドイツでの展覧会の誘いを何年もまえに逃してから、根に持っているのです(根に持っているわけではないかな)。まあ、40代になってからコツコツと活動することを目標としていまは考えているという感じですが。大器晩成といわれている私は、昨日も暗室で審査用の作品をまとめていましたが。

大掛かりな装置を使った作品では一番印象に残ったのが、2005年にヴェネチア・ビエンナーレで金の獅子賞を受賞したという「カジノ」でしょうか。これは見る価値のある作品です。
とにかく、スケールの大きな作品ばかりで、ただただ圧倒されます。熱心に鑑賞する人が年齢の差がなく見ていたのが印象的でした。

展覧会は、今日までのようですが見る価値はあると思います。

「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」
森美術館
〜11月3日(月祝)
10:00−22:00

Sora


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by sora_atmosphere | 2008-11-03 13:25 | 展覧会/Exhibition